ストーマ保有者の方々の体験談

一時的ストーマ、永久ストーマに関わらず、ストーマを造設することで生活スタイルが変わることもあれば、変わらないこともあります。個人差はありますが、ストーマのある生活に慣れるまでに多くの時間がかかる場合もあるかもしれません。どのように対応するかは状況によって異なります。ストーマのある生活を送られている方々のご経験を紹介するストーリーを集めました。参考にしてみてください。

ヘレーネ

1998年から イレオストミー (回腸ストーマ)

ストーマ袋に対して期待するものは、付け心地と安心感です。ストーマを気にすることなく毎日を過ごしていくことができなければなりません。私のライフスタイルと同様に、私のストーマも非常にアクティブで形状が変わりやすいものです。このため、自由に体を動かすことができて、漏れや不快感を心配するのではなく、柔軟性の高いストーマ装具が私には必要です。大抵の場合、自分がストーマ保有者だと考えることさえありません。装着しているストーマ袋は目立たず、若干のお直しはあったものの、手術前に着ていた服のほとんどを着ることができています。私は二品系装具を使用しており、毎朝シャワーを浴びた後にストーマ袋を交換しています。こうすることで、新しい気持ちで一日をスタートさせることができるからです。でも、ストーマがあることやそれに関連するすべてのことはもう自然なことになっているので、何の邪魔にもなりません。

ストーマ — 残された唯一の解決策

私は緊急手術を受けました。つまり、これからストーマを造設するという事実に慣れるための時間は数時間しかありませんでした。そのときは痛みがとてもひどかったので、痛みを和らげられるのなら何でもする価値があると思いました。ストーマを造設することは、私にとっても家族にとっても危機ではありませんでした。ストーマを造設する前の私ほどひどい症状の人なら、人生をまったく違った観点から見るようになるでしょう。ストーマは私の救いでした。

情報が大きな助けに

病院のスタッフは、私を安心させるためにできることは全てしてくれました。私たちに必要な情報全てを、落ち着いて明確に教えてくれました。いま振り返ってみるとそれがわかります。手術の数時間前に、私はストーマケアの看護師と会いましたが、ストーマとは何か、どのような形のものかを穏やかに話してくれました。単純で実用的なこの種の情報は、私にとっても両親にとっても、間違いなくとても価値のあるものでした。

とても緊張しながらパウチを自分で交換…

初めてストーマ袋を自分で交換しなければならなかったときは、本当に緊張しました。ですが、ストーマケアの看護師が横にいてくれたことがとても助かりました。入院中に、ストーマ袋の交換方法を順を追って説明したリーフレットをもらいましたが、10年経った今でも、私はそのリーフレットどおりの方法でストーマケアの看護師が教えてくれた通りにストーマ袋を交換しています。

ストーマをつけた女の子にキスしてくれる人なんているのかしら?

「私のような子とデートしてくれる人なんているのかしら?」 初めてストーマ保有者になったとき、自分にこんな質問をせずにはいられませんでした。そのとき私は 12 歳。男の子が気になり始める年頃です。友達が男の子とキスしているところも見ていましたし、私も同じことをしたかったのです。ストーマが障害物である理由はありません。嘘ではありません。私はボーイフレンドを何とか見つけ、それ以来男の子で苦労したことはありません。ティーンエージャーのときも大人のときも、ボーイフレンドにかかわるところでは、ストーマが問題であると感じたことはありません。でもそれは、私自身がストーマについて神経質になっていないからだと思います。

ときどき、他の人にはストーマがないのだということを思い出す

ストーマのなかった頃の生活はほとんど覚えていません。私はこれまでの人生の半分をストーマ保有者として生きてきました。ときどき、他の人にはストーマがないのだということを思い出さなくてはならないことがあります。ストーマと共に幸せな暮らしを送ることは自分の責任だと思います。ストーマを持つことになるのには理由があるのです。結局のところ、好きでやることではありません。私はストーマ保有者で、自分の思うままの人生を送ることができています。今私は 22 歳で、人生を全力で楽しんでいます。素敵なボーイフレンドがいて、もうすぐ看護師の資格が取れます。私が他の人にアドバイスするとしたら、流れに身を任せて、ストーマを受け入れて、もし辛いことがあったとしても、ストーマがなかったら今頃どんな生活を送っていたか想像してみてください。